2023年7月、Salesforce認定Dataアーキテクトを受験し、無事合格しました。
この記事ではその勉強方法について紹介します。
- Salesforceのシステム管理者・開発者歴:4年半
- 保有しているSalesforceの資格:認定アドミニストレータ、認定Platformデベロッパー、認定Sales Cloudコンサルタント、認定Sharing and Visibilityアーキテクト、認定アプリケーションビルダー
今回は認定Sharing and Visibilityアーキテクトと連続して受験しました。
前提
Salesforce 認定 Data アーキテクト資格はSalesforceのデータ管理とパフォーマンスの設計についての資格試験です。
Salesforce 認定 Data アーキテクト資格は、アーキテクチャの環境と要件を評価するデザイナーを対象としています。そして、Customer360 プラットフォーム上で、堅固で拡張性の高い、優れたパフォーマンスのソリューションを設計できます。また、デザイナーは以下の経験も持っています。
- データモデリングとデータベース設計
- マスターデータ管理
- Salesforce データ管理
- データガバナンス
- 大量データ量に関する考慮事項
- データ移行
ソリューションと設計上のトレードオフをビジネス関係者に伝えた経験があるデザイナーに有用な資格です。
SALESFORCE 認定 DATA アーキテクト
出題範囲と割合は以下になります
- データモデリング/データベースデザイン: 25%
- マスタデータ管理: 5%
- SALESFORCE データ管理: 25%
- データガバナンス: 10%
- 大量データに関する考慮事項: 20%
- データ移行: 15%
その他、受験要綱は以下のとおりです。詳しくは公式ページを参照ください。
- 内容: 多肢選択/複数選択方式の 60 問
- 試験の所要時間: 105 分
- 合格点:58%
- 受験料: 40,000 円(税抜)
勉強方法について(学習時間・教材)
2023年3月初旬から試験勉強を開始しました。
学習期間は4か月、学習時間は60時間程度です。
なおこの期間でSalesforce 認定アプリケーションビルダー試験の学習も並行して進め、資格を取得しています。
認定Dataアーキテクトには、Salesforce公式から学習用のTrailmixが提供されています。
Architect Journey: Data Architecture
しかしこちらも認定Sharing and Visibilityアーキテクトと同様に、ドキュメントが中心でモジュールは少ないです。
そのため、ドキュメントを丁寧に読み込み、分からないところはDeveloper Editionの組織で実際に手を動かす学習が中心が中心になりました。
ドキュメント中心の詳しい学習方法は、下記の記事をご参照ください。
DataアーキテクトのドキュメントにはERP(企業資源計画:Enterprise Resource Planning)やマスターデータ管理 (MDM)のようなSalesforce用語ではない一般的な技術用語が当たり前のように出てきます。
馴染みがない単語については、これが何を指していて、どういうものなのかといった知識がなければドキュメントの内容が理解できないという点が、今回の学習で特に苦労したポイントでした。
ドキュメントのほかに参考資料としてYoutubeの公式動画が公開されています。
非常に分かりやすく丁寧に解説されていますので、受験を予定されている方はぜひ参考にしてみてください。
結果と感想
結果
結果はなんとか一発合格できました。
すでに認定Platformデベロッパーと認定アプリケーションビルダーの資格は取得していたため、アプリケーションアーキテクトも自動的に付与されました。
全体の正答率は約68%で、基準点もひとまずクリアできました。
ただ分野によって成績にかなりのばらつきがあります。
特にデータガバナンス(データの保護や分類)が……
出題割合10%に対して37%の得点ということは、単純計算では6問中2問しか正解できていなかったことなります。
得点率が低かった分野に関しては想定どおりというか、理解度が十分でなかった自覚があったので納得の結果です。
ここからは受験後の試験内容に対する感想をまとめます。
やってよかった勉強方法は認定Sharing and Visibilityアーキテクトの記事と重複するため省略します。
感想
Salesforceの上級資格おなじみの長文問題がメインでした。
たとえば以下のような問題です。
UC社はオンプレミスのサーバに保存された1億件の注文レコードをSalesforceに移行しようとしています。移行されたデータをレポートで表示する要件はありません。
プラットフォームのパフォーマンス低下を抑えるために、データアーキテクトは何を推奨すべきですか?
A データを格納するカスタムのBig Objectを実装します。
B データを格納するカスタムオブジェクトを作成します。
C Salesforce によって定義された標準のBig Objectを使用します。
D 標準の「注文」オブジェクトを使用してデータを保存します。
Salesforceでは大量データを扱ったり外部のデータベースと連携したりするケースがあるため、その最適解を選択させる問題も出題されました。
HerokuなどのSalesforceではない組織やサードパーティの製品など、Developer Editionでは手軽に再現できなかったり普段の業務でも扱った経験が少なかったりした分野は、知識の定着の不足がそのまま結果に表れてしまっています。
おまけ:Sharing and VisibilityアーキテクトとDataアーキテクト、どっちから受けるべき?
結論から言うと、IT知識がSalesforceメインの人はSharing and Visibilityアーキテクトからがおすすめです。
先でもお伝えしたように、Dataアーキテクトの範囲はSalesforce以外の技術知識が多少問われることになります。
Sharing and VisibilityアーキテクトでもSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングのような一般的なセキュリティに関わる知識を問う問題もありましたが、私の体感ではDataアーキテクトのほうがその割合が高かったです。
そのため元々Salesforce以外のデータベース設計などの知識がある方はDataアーキテクトのほうが入りやすいですし、Salesforce知識がメインの方はSalesforceをフル活用するSharing and Visibilityアーキテクトのほうが馴染み深いです。
ただこの感覚は知識以上に個人の興味関心、その時の業務経験で難易度は異なりますし、どちらの知識を吸収したいかでも優先順位は変わってくると思います。
あくまでもこれは私個人の意見として、参考にできる部分だけ拾っていただけますと幸いです。
これからデータの表示や共有の設計を勉強したいのでSharing and Visibilityアーキテクトの合格を目指します!
これまで大量データを扱う案件をたくさん経験したのでDataアーキテクトに挑戦します!
いずれにしてもどちらも試験範囲は重なっている部分があるため、モチベーションがキープできそうであればまとめて取得することをおすすめします。
まとめ
以上が私の認定Dataアーキテクトの受験体験です。
Salesforceだけでなくシステムを設計するうえで重要な知識を学ぶきっかけになりました。
試験だけで理解できなかったポイントは今後も引き続き学習を続けていきたいと思います。
この記事を読まれた方が受験するうえで何か一つでも参考になることがありましたら幸いです。