【Salesforce基本解説】10分でわかる!連結オブジェクト

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Salesforceでは、業務データの管理を効率化するために、複数のオブジェクト(データ構造)を関連付けることができます。その中でも「連結オブジェクト」は、多対多リレーションを構築するための特別なカスタムオブジェクトです。本記事では、連結オブジェクトの基本から、作成手順や実用例までをわかりやすく解説します。


目次

1. 連結オブジェクトとは?

連結オブジェクトとは、2つのオブジェクト間で「多対多」のリレーションを実現するための中間的なオブジェクトです。この中間オブジェクトには、2つの親オブジェクト(例えば「Bug(バグ)」「Case(ケース)」)を参照するための「参照関係の項目(主従関係の項目)」がそれぞれ1つずつ必要です。

例えば、「Bug」と「Case」を関連付ける場合を考えてみましょう。

  • 1つのバグは、複数のケースに関連付けられる可能性があります(例えば、同じ不具合が複数の顧客から報告される場合)。
  • 同様に、1つのケースも、複数のバグに関連する場合があります(例えば、1件のサポートケースが複数の不具合に起因している場合)。

このような関係性を直接実現することは、Salesforceの標準構造では難しいため、間に連結オブジェクトを挟みます。


2. 連結オブジェクトの必要性

なぜ多対多リレーションが重要なのか?

業務プロセスでは、データが複雑に絡み合うケースがあります。例えば:

  • 教育業界:1人の生徒が複数のクラスに所属し、1つのクラスにも複数の生徒が所属する。
  • 製造業界:1つの部品が複数の製品に使用され、1つの製品にも複数の部品が使われる。

このような状況では、単純な1対1や1対多のリレーションだけでは対応しきれません。そのため、連結オブジェクトが有効です。


3. 実用例: サポートケースとバグ管理の連携

シナリオ
ソフトウェア会社が製品サポートを行っており、顧客からの問い合わせ(ケース)に関連するバグ情報を管理したい場合を考えます。

実装手順

  1. オブジェクト構成
    • Case(顧客からの問い合わせ情報を管理)
    • Bug(製品の不具合情報を管理)
    • BugCaseLink(これら2つを繋ぐ連結オブジェクト)
  2. 操作方法
    • ユーザーがケース詳細画面を開くと、関連するバグ情報がリスト表示されます。
    • バグ詳細画面では、どのケースに関連付けられているかが確認可能。

メリット

  • サポートチームと開発チームが連携しやすくなり、問題解決のスピードが向上。
  • 顧客対応履歴と技術的課題の一元管理が実現。

4. 連結オブジェクトの作成手順

ステップ1: カスタムオブジェクトの作成

  1. Salesforceで、連結オブジェクトとなるカスタムオブジェクトを作成します。
    • 例: BugCaseLink という名前のオブジェクトを作成。
    • レコード名は「自動採番」を選択し、連結オブジェクト用のカスタムタブは作成しない。

ステップ2: 主従関係の設定

  • 作成した連結オブジェクトに対し、主従関係の項目を2つ追加します。

ステップ3: ページレイアウトの編集

  • 主オブジェクト(CaseBug)のページレイアウトを編集し、関連リストに連結オブジェクトを追加します

  • 関連リストの名前を直感的にわかりやすいものに変更します(例: BugsCases)。

5. カスタムレポートでの分析

Salesforceでは、連結オブジェクトを含むカスタムレポートを作成することで、多対多リレーションの効果をさらに引き出せます。

  • 例:「ケースごとの関連バグ一覧」
  • 例:「バグごとの影響を受けたケース数」

まとめ

連結オブジェクトを活用することで、複雑なデータ構造を効率的に管理できるようになります。業界やユースケースに応じて、独自のリレーションを構築し、Salesforceの可能性を最大限に引き出しましょう。

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