Salesforceのレポート機能は強力ですが、外部ユーザーに対してはいくつかの制限があります。特にカスタムレポートタイプでのレコードタイプ項目の表示に課題があります。本記事では、この問題を解決する方法を詳しく解説します。カスタムフィールドとフローを駆使して、外部ユーザーにも必要な情報を表示する技を身につけましょう。
外部ユーザーが直面するレポートの制限
カスタムレポートタイプの制限
カスタムレポートタイプを使用すると、外部ユーザーにはレコードタイプ項目が表示されません。
フィルターとしても使用できないため、内部ユーザーとは全く異なる結果が表示されてしまいます。
標準レポートタイプの限界
標準レポートタイプでは外部ユーザーもレコードタイプ項目を利用できますが、クロス条件では使用できないという制限があります。つまり、より複雑な分析には向いていないのです。
カスタムフィールドとフローで実現する自動化
カスタムテキストフィールドの作成
まず、レコードタイプ項目の値を格納するためのテキスト型のカスタム項目を作成します。このフィールドにレコードタイプの情報を保存し、レポートで使用できるようにします。外部ユーザーにも見える形で情報を提供する鍵となります。
フローの設定
次に、カスタムテキスト項目にレコードタイプの情報を更新するフローを作成します。
以下はその手順です。
- フローの種類の選択
Flow Builderにアクセスし、新しいフローを作成します。フローの種類はレコードトリガーフローを選択します。 - トリガー条件の設定
フローがトリガーされる条件を、「レコードが作成または更新された」に設定します。こうすることで常に最新の情報がカスタムテキスト項目に反映されます。 - レコードデータの取得
更新対象となるレコードデータを取得し、レコードタイプ項目の値を取得します。これが自動化の核心部分です。 - カスタムテキストフィールドの更新
取得したレコードタイプ項目の値をカスタムテキスト項目に設定するアクションを追加します。保存する値にはレコードタイプのDeveloperNameがおすすめです。IDは環境ごとに異なる可能性があり、リリースの際にフローの修正が必要となってしまう場合があります。 - フローの保存と有効化
フローを保存し、有効化します。
フローの一括実行
既存のレコードに対してもフローを適用するため、一括更新を実行します。これにより、既存のすべてのレコードのカスタムテキスト項目が更新されます。過去のデータも漏らさず更新できるのがポイントです。
ワークフロールールの利用について
ワークフロールールを利用することも可能ですが、ワークフロールールは、Winter ’23以降、新規作成ができなくなり、既存のルールの編集のみ可能です。新規の自動化にはFlow Builderを使用してください。
まとめ
外部ユーザーでも、カスタムレポートタイプを使用したレポートで、レコードタイプ項目を表示し使用するための方法をご紹介しました。
フローを使いこなすことで、単なるレコードタイプの表示だけでなく、より複雑な業務プロセスの自動化も可能になります。Salesforceの自動化機能を最大限に活用して、効率的なデータ管理と分析を実現しましょう。